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ボンテージ侍2009.08.01 Saturday
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戊辰戦争末期、 五稜郭の土方歳三が残存新撰組が最後の抵抗を行っていた弁天大場へ援軍へ向かう途中、凶弾に倒れ命を落とす。
しかし彼が身にしていたとある力は、その場に居合わせた娘へと引き継がれる。
そして10年後、世界の列強が利権を争いひしめき合う蝦夷の箱館では、猟奇的な殺人が相次ぎ、新撰組残党による事件ではと噂が立っていた。
そんな中、土方の意志を継ぐ少女は事件を引き起こしている人ならざる存在・妖人との戦いの渦中で、ヒメガミと名乗る仮面を付けた女と出会う。
――現実とは違うパラレル的な明治時代を舞台にした、和製バトルファンタジー漫画「ヒメガミ」をご紹介。
父親から引き継いだ力をもって妖人狩りを行う土方彪と、精霊の力を取り込みヒメガミと呼ばれる戦士に変身するヒメカの二人が、蝦夷の地に眠る人外の秘術を巡って列強の軍隊やら妖人達と戦うわけだが、え〜一言で現すと「実に惜しい漫画」です。
魅力的なキャラクター、存在感のある敵、激しいアクションとそれを描き切る作者の画力、時代考証の取れた舞台設定に、素敵な百合要素――と、個人的には完璧に近い出来なのだが、とにもかくにも連載雑誌の消滅という外的要因によって、広げた風呂敷を大急ぎで畳まざるを得なくなったのは悲運としか言いようが無い。
一応は纏めているものの、所謂「俺達の戦いはこれからだ!」的な終わり方になってしまっているので、これから読まれる方は十分注意をして頂きたい。
それでもなお面白い漫画である事は確かなので、人外の存在とのチャンバラや、幕末〜明治の歴史が好きな方、そして百合スキーな方には是非お手元へどうぞ。
ああ、もっと長く読みたかったなぁ。
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